24時間営業 年中無休
blog

知っておきたい本当の耐震対策

  • 瓦屋の嫁ブログ
  • その他



高山市、飛騨市にお住まいの皆さま、「屋根の森」です。

先日は初めて南海トラフ地震臨時情報が出て、巨大地震の発生の可能性が指摘されています。

そんな中で、耐震性を高めるために瓦屋根の軽量化をしたいという問い合わせが増えていますが、瓦屋根を軽量化することで耐震性を高めるという方法は、実はコスパがよくありません。

そこで、ここでは瓦屋根の軽量化はなぜコスパが悪いのか?

コスパが良くて効果もバッチリな対策は何か?について解説します。

自宅の耐震性に不安を感じている人は、是非参考にして効果的な耐震対策を行って頂きたいと思います。

1.瓦屋根の軽量化による地震対策の効果が低い理由

屋根の軽量化による地震対策の効果が低い理由として、軽量瓦で土の量が減るため瓦の強度が下がるということが挙げられます。

瓦の原材料は「土」になるため、軽量化においては土を減らすことになります。

土が減ることで、瓦は軽くなると同時に密度が下がるため、結果として軽量瓦の強度は下がってしまいます。

大雪が降る地域では、軽量瓦にしたことで瓦が割れてしまうという被害が発生することがあり、軽量瓦にするには住んでいる地域の気象条件も考慮しなくてはなりません。

実は、過去に弊社で軽量瓦の葺き替えのご依頼を受けて葺き替えたことがありましたが、冬に雪による破損被害が発生しており、以降取り扱っていません。

屋根の軽量化としては、板金屋根への葺き替えも候補に挙がりますが、葺き替えに掛かる費用を踏まえると、耐震対策としてコスパの高い方法とは言えません。

では、効果が期待できるコスパの高い対策とは何なのかをご紹介します。

2.補助金を利用した耐震補強を先に検討すべき

2-1. 補助金を利用した耐震補強がオススメ

地震の被害が相次いでいることを受け、現在、国は昭和56年以前に建築された建物の耐震診断・耐震改修を促進しています。

そこで、昭和56年以前に建築された建物の所有者に対して、耐震診断を受けることを推進し、自治体に補助金の支給などの支援制度の整備を要請しています。

ですから屋根の軽量化を検討する前に、この補助金を利用した耐震補強の検討をしてみることをおすすめします。

2-2.国による耐震補強ための制度

令和4年及び5年に一定の要件に該当する耐震改修工事をした場合には、所得税額の特別控除の対象になるため、所得税が減税される措置を設けています。

画像


2-3.自治体によるに耐震補強ための補助

国の要請を受けて、各自治体は耐震改修のための制度を整えていますが、ここでは高山市のケースを紹介します。

高山市では、一定の要件に該当する場合には以下の助成を行っています。

 耐震診断料への補助
 耐震改修工事費への補助
 一定の要件に該当する場合の固定資産税の減税

【耐震診断の補助対象となる限度額】

診断区分 補助対象経費の限度額 補助率
木造共同住宅等耐震診断 1戸当たり30,000円 3分の2
建築物耐震診断 住宅の場合は136,000円 3分の2

【木造住宅耐震改修工事の補助金限度額】
改修工事の種別 補助金限度額

基準改修 1,800,000円
(3分の1以内の額までリフォーム工事費を含むことが可能)

基準未満改修 1,200,000円
(10分の3以内の額までリフォーム工事費を含むことが可能)

防火地域・準防火地域は、補助限度額が30万円上乗せとなります。

【固定資産税の減税】

居住面積が120平方メートル以下の場合:固定資産税額の2分の1を減額。(認定長期優良住宅に該当することになった場合には、3分の2を減額。)

詳しくは高山市のサイトを参照してください。

耐震診断料への補助について

https://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000013/1000080/1014291/1004129/1004130.html

耐震改修工事についてhttps://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000013/1000080/1014291/1004129/1004132.html

固定資産税の減税についてhttps://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000015/1005408/1000400/1000405/1000412.html

3.まとめ

建物の耐震性を高めるためには、屋根の軽量化よりも、自治体による耐震補強の制度の利用を検討する方がコスパが優れていることが分かっていただけたでしょうか?

皆様の不安な気持ちをあおって瓦屋根から板金屋根に変えましょう、と勧めてくる訪問業者を鵜呑みにすることなく、まずは家の耐震診断をして自分の家の耐震強度を正しく理解することから始めましょう。