瓦店として少しマニアックな部分に切り込みますのでついて来てくださいね。
和瓦はJIS規格によってサイズ規定がされており、多少の違いはあるが古い和瓦の修理にも簡単に対応できるのがポイント。
しかしサイズや色などが同じでも実は一点だけマニアックな部分に違いがあり、屋根修理などでは同じタイプで修理するようにしています。
それは・・・
瓦の表面の一番下側、僕らは頭と表現しますが、ここに違いがあるのです。
瓦の頭側がスパーッと切った状態のように直角になっているのが『切落(きりおとし)』。
頭側が少し緩やかなカーブを描いて面を取ってあるのが『削ぎ(そぎ)』と呼ばれています。
削ぎは地域によっては『面取(めんとり)』と呼ばれています。
瓦自体の見ための違いであり屋根面の表情を左右する部分なんです。
●削ぎ(そぎ)
現在の和瓦の主流はこちらの削ぎ・面取になります。
釉薬を使って発色させる釉薬瓦はほぼこちらの瓦になります。
瓦の頭部分に柔らかなカーブがあり、屋根全体も柔らかく葺き上がります。
●切落(きりおとし)
こちらは古いいぶし瓦の屋根や、社寺仏閣に使われていることが多い和瓦です。
スパッとした切り口がシャープで屋根に重厚感を感じさせるのが特徴。
陰影がはっきりして、男性的な葺き上がりになると言われています。
まとめ
和瓦には切落と削ぎに種類があり、瓦の見た目が違います。
雨漏り修理や屋根修理の時には、できるだけ現状復旧を基本とするため屋根材の種類を正確に把握して同じモノを使って直します。
切落の瓦屋根を見つけたらシャープで男性的な屋根ですね、削ぎの瓦屋根の場合は柔らかい印象ですね、なんて言うとマニアックで通っぽくなれます(笑)。
日本で瓦が作られるようになった当初は頭部分に一手間加えることはなく、切落で作られていました。
そして技術の進歩により柔らかなカーブを描く削ぎが作られるようになってきたんですねぇー。
皆さんはどちらの瓦がお好みですか?
マニアックなお話にお付き合いいただき、ありがとうございました!
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