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野地板(のじいた)って何?実は重要な役割と修理について

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屋根の構造 垂木 屋根リフォーム 家

高山市・飛騨市にお住まいの皆さん、雨漏りに強い『屋根の森』です。

野地板(のじいた)という屋根の部材をご存じですか?

あまり耳にされたことが無いかも知れませんが、実はとても重要な役割を担っている部材です。

今回は、野地板とは屋根のどこにある部材なのか、どのような役割があるのか。

もし修理が必要になった場合の対応について詳しくご紹介します。

野地板ってどんな部材?


野地板は、瓦や化粧ストレートなど屋根材を固定し、支える下地板のことです。

垂木(たるき)と呼ばれる屋根の骨組みの上に取り付けられます。

その上に防水シートが敷かれ、屋根材が固定されるため、野地板は普段は外から見ることが出来ません。

野地板は瓦や板金などの屋根材を設置する土台となる為、屋根を形づくる上で、なくてはならない部材と言えます。

野地板の材質|3つの材質の特徴について


野地板に使用される木材には、主に3種類あります。

種類毎の特徴を知っておくと、新築や増改築時の木材選びや、

ご自宅のメンテナンスをする際に役立つかと思いますので、覚えておくことをおススメします。

杉板


杉の木を幅90mm〜150mm程度の細長い板状にしたものです。

板のサイズがバラバラなことからバラ板とも呼ばれます。

杉板は、通気性を良くするために隙間を開けて設置され、

湿気がたまりにくいというメリットがあります。

一方で、隙間があることで雨が浸水するリスクが高まるというデメリットもあります。

杉板は、30~40年前までよく使用されていましたが、通気性の良い別の建材が登場したことで、

現在新築の家で使われることはほとんどなくなりました。

野地合板

 
構造用合板とも呼ばれ、複数の木の板を貼り合わせているため隙間がありません。

野地板としてはもちろん、2×4(ツーバイフォー)工法の壁材としても使用され、

用途によって使われる厚さが異なります。

杉板よりも通気性は良くありませんが、透湿性が高い防水シートの登場もあって

通気性の問題が解決され、近年の新築で良く使われています。

耐火野地合板 


建築基準法で防火地域もしくは準防火地域で使用が義務づけられている合板です。

耐火性能が高く、火災が発生した際には30分以上耐えられると言われています。

ちなみに、耐火野地合板には「木毛セメント板」と「木片セメント板」があります。

・木毛セメント板

木毛は「もくもう」と呼び、木を短いリボン状に削ったもののことです。

この木毛をコンクリートと混ぜ、圧縮して板状にしたのが木毛セメント板です。

・木片セメント板

木毛ではなく、短い木片(もくへん)とコンクリートを混ぜ、

圧縮して板状に成形したものが、木片セメント板です。

野地板の劣化によって生じる大きなリスク


屋根の下地である野地板の劣化や破損は、言いかえれば

屋根を支える機能が劣化するということです。

この野地板が劣化すると具体的にどのようなリスクが生じるのかご紹介します。


屋根全体の強度が低下する


屋根材の種類を問わず、屋根材は野地板に固定されています。

その野地板が劣化すると、屋根材が剥がれやすくなったり、屋根の耐震性や耐風性が劣化したりと、

屋根全体の強度が低下することで、短期間で劣化が進行する恐れがあります。

ちなみに、台風や強風による屋根材の剥がれは、野地板の劣化が一因となって

いるケースが多いと言えます。

野地板の腐食による家全体の劣化や健康被害のリスク


雨水の浸水により、野地板が腐食してしまった場合、小さな腐食でも侮れません。

腐食が周囲に拡大することで、屋根や家の骨組みそのものに影響が出てしまう可能性があるためです。

また野地板に雨水が浸水している場合は、その上に設置されている防水シートや

屋根材が劣化または破損している恐れがあります。

このような状態になっている場合は、雨漏りするリスクがかなり高まっているかと思われます。

さらに、浸水はカビの発生につながるため、健康に害を及ぼすリスクが懸念されます。

野地板に関するリスクは早めの対処で大幅に抑えられる


屋根という高い位置にあり、屋根の下地という目に見えない場所にあるため、

気づかないうちに劣化している場合もあります。

重要なことは、雨漏りなどの症状が出る前に定期的なメンテナンスを行い、

劣化は放置せずに早めに対策を行うこと。

そうすることでコスト削減にもつながります。

野地板のメンテナンス時期


野地板の耐久年数は板の種類によって異なります。

一般的に

・杉板は40年程度

・野地合板は30年程度

・耐火野地合板は20〜30年程度 

といわれています。

ポイントは、この耐久年数よりも早めにメンテナンスを行うことです。

もし過去に雨漏りをしたことがある場合は、耐久年数が短くなる可能性が

ありますので注意しましょう。

野地板の修理方法と費用目安


野地板の修理は、大きく分けて2つの方法があります。

一つは「増し張り」、もう一つは「張り替え」です。

それぞれの修理方法と費用目安をご紹介します。

野地板の修理方法と修理料金の目安
野地板の修理方法と修理料金の目安

 

耐久年数が過ぎている場合、増し張りで一時的に対応できても将来的に

張り替えが必要になる可能性もありますので注意が必要です。

どちらの修理方法を選択するかについては、専門家とよく相談して決めるようしてください。

 

まとめ


いかがでしたか。

表から見えない場所にありますが、屋根はもちろん家にとって重要な役割を担っている野地板。

見えない隠れた場所にあるということは、劣化や破損が大きい場合は、

それだけ修理費用が大きくなるということです。

そうならないためにも定期的にメンテナンスを行い、問題があれば

早めに対策することを強くオススメします。