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R会館の混ぜ葺き(?)屋根の裏話

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check35.jpg混ぜ葺きの瓦屋根のはずが...


先日、春休み中のこどもたちを連れ、富山へ行ってきました。

toyama.jpg

(環水公園にて)

天気が良くて、ぽかぽか。
高山はまだ少し寒いので、この暖かさが嬉しい。


さてさて高山から富山への道中、R会館の前を通るのですが、
そこを通るときに必ず主人のする話。毎回w


R会館が新しく建てられるとき。

うちの会長、瓦業界では当初めずらしかった混ぜ葺きの瓦屋根を設計・提案したのですが、
予算が合わず、結局は富山の業者が施工したというR会館。

(混ぜ葺き...簡単にいうと、違った色の瓦をランダムに配列して葺くことです)




結果こうなったそう。

mazebuki2.jpg


よ~~く見ると、"黒の瓦"と"少し茶がかった黒の瓦"がしましまになっているの、
写真から分かりますか?


mazebuki1.jpg



混ぜ葺きの瓦屋根といえば、例えばこんなふう ↓


basutei.jpg


これはバス停の待合所の屋根。
ごめんなさい、分かりにくい。。


"黒の瓦"と"茶がかった黒の瓦"がランダムに、混ぜ混ぜに葺かれた屋根。

他にも蔵の屋根なんかは、白色の壁にこの混ぜ葺きの瓦屋根。
それはそれは趣があります。

check35.jpg会長の秘められた想い


そもそも。
うちの会長はなぜ、混ぜ葺きを設計・提案したのか?

当時は混ぜ葺きの屋根なんてほとんどありませんでした。
それなのになぜ?




うちの会長は、R会館を新築でありながら、逆に、昔ながらの富山の瓦屋根にしたかった。

新築でありながら、富山の風景に染まる混ぜ葺きに。


富山の屋根といえば、ほぼ黒い瓦。
(べた雪が屋根から落ちやすいよう、黒の瓦が多いそうです)


家を建てて何年か経って瓦が割れたとかで修理となると、そこだけ新品の瓦を使うことになります。

(全体を直さなくても、部分的に修理できるのが瓦屋根のメリット。金額的に、です。
この話はまたの機会に)

そうすると、まわりの瓦の色と色が完全には一致しないんですね。

昔葺いた黒い瓦は風化して、少し茶色がかった黒になっているので。



結果、黒色と少し茶がかった黒色がランダムに、混ぜ混ぜになって葺かれた屋根に。

そういうわけで、富山の昔ながらの屋根といえば、
(わざと混ぜたわけではない)混ぜ葺きなのです。



そんな背景を聞いて、素直にすてきな提案だなと思いました。
そこまで考えて提案できるって、すごい。


R会館、遠目からはわかりませんが、裏話でした~