高山市・飛騨市にお住まいの皆さん、雨漏りに強い『屋根の森』です。
ヨーロッパの街並みって外観や色味に統一感があってとてもキレイですよね。
いきなりどうしたの?って思われるかも知れませんが、酒事業の関係でイタリアに視察に行ってきました。
やっぱり瓦屋根ばかり目がいってしまうのは職業病だなって思っちゃいました(笑)。
でも、本当に瓦屋根が作り出す美しい街並みに目も心も奪われてしまいました。

輸入瓦とは
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イタリア・フランス・スペイン・ドイツなどヨーロッパには瓦文化があり、瓦製造をしている瓦メーカーさんがあります。
ヨーロッパなど海外で製造された瓦で日本へ輸入されたものを輸入瓦と呼びます。
基本的に土の色味を利用した赤色・オレンジ色系の素焼き調の瓦がメインで使われています。

南欧風・プロヴァンス風と呼ばれるヨーロッパテイストの住宅が日本でも建築されており、輸入瓦を使用しているケースもあります。
独自の色付け方法で屋根全体に独特のムラが出て美しい外観が演出できるのが輸入瓦のメリット。
これは日本の瓦では出せない本物の美しさって感じですね。
雪国には輸入瓦をオススメしない理由
とっても美しい輸入瓦を飛騨高山でも使ってみたいと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながらオススメはできません。
僕たちが住んでいる飛騨高山は雪国であるということを忘れてはいけないからです。
ということで、オススメしない理由は大きく3つ。
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①吸水率が高いので凍害が起きやすい
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②積雪の荷重で割れが心配
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③瓦修理の交換時の材料手配の問題
それでは、一つずつ補足していきますね。
瓦は土を焼いて作り上げられる陶器であり、小さな空隙があり多少の水を吸います。
これを吸水率と呼ぶのですが、吸水率が高いと瓦内部に水が含まれるということ。
水が凍る際に体積が膨張するのはご存知だと思いますが、この冬季の膨張が瓦に悪さをしてしまいます。
吸水率が高いと水分の膨張で瓦がヒビ・割れが発生してしまうことがあります。
屋根の森では吸水率の低い愛知県の三州瓦を利用しているので瓦が割れるリスクを極力抑えています。
雨の少なく温暖な地方で作られる瓦は吸水率が高めなので凍害のリスクは高くなります。
個人的見解なのでご容赦願いたいのですが・・・
カタログ表記では驚異的な1%台と記載されている輸入瓦もありますが、あれは撥水剤が塗られた状態・・・
撥水剤の効果はほんの数ヶ月なので・・・
10%を超える物が一般的と思っても良いかと。
ちなみにJIS規格では吸水率12%以下、三州瓦は6%台です。
飛騨高山に住んでいる限り凍害のリスクを抱えている状態となるとオススメはできません。
飛騨高山では冬場は屋根上に雪が乗っているのが普通の状態。
常に雪の重みが瓦屋根に掛かっている状態になります。
瓦1枚の強度の基準として曲げ破壊強度という数値がありますが、JIS規格では1500N
以上とあります。
カタログ数値上は2000Nを超えるものもありますが、実際に工事で触った経験から言いますと・・・
三州瓦に比べて強度は全然弱いと感じています。
グラインダーで切断する際も簡単に切れる印象。
慣れていないということもあるかと思いますが、施工時も踏み割れが多かったです。
なので雪の重みで割れるリスクが心配です。
僕の記憶では輸入瓦には雪止瓦もないので、雪を止めるという概念がないんでしょうね。
正直に言いますと、屋根工事店としてはこれが一番心配です。
瓦が割れたならば材料を手配して修理することはできます。
しかし、輸入瓦となるとそう簡単にはいかないんです。
例えば普段使用している三州瓦ならば、電話一本でサッと手配ができて愛知県から数日中には納品されてきます。
輸入瓦の場合は、まず日本の代理店へと連絡して在庫を置き場で確認してもらうことになります。
在庫があれば宅配便で送ってもらうことになりますが、枚数が多くなると送料だけでも大変な金額になってしまいます。
もし在庫がなければ・・・ヨーロッパから船で運んでもらうことになり1ヶ月以上かかることでしょう。
さらに恐ろしいのが廃盤品となってしまっていた場合にはまったく瓦が手配できなくなる可能性もあります。
そうなると・・・最悪の場合は葺き替え工事するしかなくなりますよね。
ということで、輸入瓦を使用する場合は上記のようなリスクがあります。
雪国での使用はオススメできないですよね。
雪国にあった屋根を使用して安心してお住まいいただきたいと思います。
三州瓦にも多くのカラーリングもありますので、ご相談くださいませ。
屋根の点検・雨漏り修理・雨樋掃除などをご希望される方は、下記からお問い合わせください。
(お問い合わせ内容に、ご希望の日程の候補日をいくつかご記入いただきますとスムーズです)
https://www.morikawara-yane.com/inquiry/
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