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軒の出・袖の出がない住宅のメリット・デメリットについて。

  • 屋根・瓦の豆知識
屋根 和風建築 新築

高山市・飛騨市にお住まいの皆さん、雨漏りに強い『屋根の森』です。

先日、屋根からの雨漏りとのことで現調に行くと屋根からではなく、サッシ周りからの雨漏りってことがありました。

雨漏りというと屋根からって思うのが一般的だと思いますが、実際にはサッシ周りだったり、壁からってこともあるんです。

ベランダの笠木からの雨漏りってこともありました。

今回のサッシ周りからの雨漏り、軒の出・袖の出がないというのも一つの理由かなと思ったので、
出寸法(ですんぽう)について書いてみます。



岐阜 雨漏りに強い 雨漏り診断士がいる軒の出・袖の出のない家のメリット

最近デザイナーズ住宅などの影響で軒の出・袖の出がない家が増えてきています。

そこで、軒の出・袖の出がない家のメリット・デメリットについて考えてみます。

まずはメリットについてですが、大きくは2つあります。

① コスト

② デザイン

少し掘り下げて考えていきますね。




① コスト

軒の出・袖の出がないことで、実は建築コストを安くすることができます。

例えば10m×10mの切妻の家で考えてみます。

屋根勾配に関する伸び率などの細かいことは無視して分かりやすく考えていきます。

軒の出・袖の出が0mmの家だったら、面積は10m×10m=100㎡。

軒の出・袖の出ともに50cm出ていたとすると面積は(10m+0.5m+0.5m)×(10m+0.5m+0.5m)=121㎡。

同じ床面積でも21㎡の差が出るんですね。

その分、屋根の施工面積などの差が出てコストはお値打ちになります。

たとえば、屋根の平部の設計価格8500円/㎡とすると21㎡×8500円=178,500円コストを抑えることが可能に。

住宅会社さんのコスト削減策として提案されることもあるコスト的なメリットです。




② デザイン

住宅雑誌やデザイナーズ住宅の写真を見るとデザイン的に斬新でカッコイイなって思うのではないでしょうか?

なんかシャープで都会的な外観って憧れますよね。

毎日そこで生活するわけですから外観的な部分も大事ですもんね。



岐阜 雨漏りに強い 雨漏り診断士がいる軒の出・袖の出のない家のデメリット



メリットだけでなくデメリットも当然あります。

① 暑い・眩しい

② 雨の日

③ 壁の汚れ

デメリットとしてはこの3つが考えられます。

軒の出・袖の出がある家との違いを考えるためにまずこの図でイメージをしてください。

屋根 庇 軒先

それでは1つずつ説明していきます。



① 暑い・眩しい

軒の出がないため、直射日光を受けてしまい、室内が暑くなってしまいます。

壁にも直射日光がフルに当たるため軒の出・袖の出がある家とくらべて全体的に暑くなってしまいます。

窓にも直接日光が当たるため、眩しくなりレースカーテンは必須です。



② 雨の日

軒の出・袖の出がないと雨の日に窓が開けられません。

これは盲点だと思いますが、窓を開けると部屋に雨が直接入ってきちゃうんですよね。

車のドアバイザーをイメージしてもらうと分かりやすいかも知れませんね。

雨の日にドアバイザーがあるとちょっと窓を開けて換気しても雨が入ってきませんよね。



③ 壁の汚れ

壁も雨水などの影響によって汚れます。

軒の出・袖の出がないことでより多くの雨が当たるため、汚れる面積が多くなります。

また、壁を伝わる雨量が増えるためサッシ周囲や壁からの雨漏りのリスクが増えます。

コーキングは日に当たると劣化し硬化・キレが発生しやすくなりますから定期的なメンテナンスは必要です。



軒の出・袖の出がない住宅でもいろんな暑さ対策などもできます。

どんなことにもメリット・デメリットはあるため、新築時には優先順位をつけて選ぶようにしてくださいね。

ただし、飛騨高山のような雪深いエリアでは単純に出寸法を長くし過ぎると屋根上の雪で軒先が折れてしまうことがあるので注意が必要です。

屋根の下の垂木などの強度も必要ですからね。

なんでも程良くってのがポイントです。



屋根の点検をご希望される方は、下記からお問い合わせください。

(お問い合わせ内容に、ご希望の日程の候補日をいくつかご記入いただきますとスムーズです)

https://www.morikawara-yane.com/inquiry/